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曼珠沙華腰巻の美術世界
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ー毎日新聞記事掲載ー

毎日新聞(福岡)
2007年10月27日
「美術」
内藤修子展           
会場の空間を丸々使ったインスタレーション=写真。
「十字路ノ地獄坂 袖すりあうも他生の縁」副題が付く。
十字の交差する”道”に沿い、高さ約1,2メートルの布をカーテン状につるして四つのブースを作っている。天から眺めれば十字架の形が現れるはずだが、それは人間に確認不可能な視点。いわば、永遠に見えないクロスだ。
ーーーー年生まれ、長崎在住。作品には度々、悲惨な記憶が染み込む「日の丸」と、たくましい女性の象徴である「腰巻き」が登場する。今展では、手前の二つのブースが腰巻き、後方の二つは日の丸をイメージ。紅白の対比がなまめかしい。道に見立てた床には、母親の乳首を連想させるほ乳瓶の口が並び、一番奥の隅には地獄に似た骨とうの像や造花。
誕生から死まで、生の軌跡を投影する。壁を飾る張り紙は、古いアルバムや過去の芸術プロジェクトの模様などを写真をコラージュしたもの。「咲いて散るのが花」など、芝居がかった文字が躍る。否定、肯定の文脈を超え、作品に昭和の時代性をにじませている。それにしても、多様なテーマを込めたものだ。日の丸には戦争と平和、腰巻きにはフェミ二ズム、十字架は宗教弾圧。カトリック信徒の受難の歴史を持ち、原爆が投下された長崎の土地性も絡んでくる。それでいて、堅くるさや説教臭さないのは、懐かしくもあやしい空気が全体に立ち込めるせいだろう。11月4日まで。福岡中央区アートスペース貘  (渡辺亮一)
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