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曼珠沙華腰巻の美術世界
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馬鍬(まぐわ)
鍬は田んぼを滑らかにする為の道具です。田んぼを耕した後、水をはり、田植えをする前の段階に使う農具です。もちろん、馬、牛がひっぱります。
 この農具は実家(千々石・飯岳)の屋根裏に置いてありました。屋根裏にはその昔は蚕を飼っていたと聞きました。蚕部屋の後は使わなくなった農具、または古い箪笥長持を保管する場所になっていた。
屋根裏の暗い部屋で何十年もの間、古い家をみつめて見守っていてくれたのかと思うと、単なる鍬が愛おしい形に思えてなりませんでした。
農機具になる前、先祖が手にして働いたであろう、先祖の温もりのある形に、押し寄せる温かさを感じとりました。
 戦争の時は母と祖母が手にして働き、家族を守り続けた。
国に翻弄されたのは、決して男性だけではないという思いが強くなった。
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