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曼珠沙華腰巻の美術世界
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                      オリジナル原稿

               2010/04/05 (Mon) 08:41:41
「お龍さんと月琴」 吉田形 勧
3月14日の日曜午前、長崎地方法務局で、坂本龍馬の妻お龍像モニュメント除幕式があった。
昨年、「長崎さるく幕末編モニュメントのデザイン募集」として一般公募された企画で56作品の応募があり優秀賞に私達8・9平和展企画委員NとYの二名が選ばれ、Nのデザインになる像の除幕式に立ち会った。
私達8・9関係者数名と長崎さるく側から市長、長崎龍馬会から数名、Nの親族等の参加があった。
黒い背広姿が多い中でN一人だけが華やいだ着物姿で除幕式の主役が彼女である事を周囲に印象づけていた。
事前にNから受賞した原画と出来上がった彫刻に違いのある事は聞いてはいたが幕を外されたモニュメントには日頃から私達が見なれているNの丸みを帯びたフォルムは見つけられなかった。
後から考えればNも現物を見るのはこの日が始めてだっただろうし表情がこわばって見えた。
後日、Nから聞いた話では原画には庭で籐椅子に座り月琴を奏でているお龍を描いたとの事だ。
像を製作した某美術展公募団体会員Mはメディアの取材に時代背景を考証しながら、まげや月琴を奏でる指などに、お龍の人柄を忠実に表現することに苦心したと述べている。
像は籐椅子には座らずに座蒲団状の物に膝を揃えた正座である。
Mは籐椅子に時代考証的観点から疑問を持ったのか?
籐椅子は芥川龍之介の小説「手巾」大正五年作に描かれている。
籐椅子に座るお龍の姿を想像する事は可能だろう。






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